涼を誘う一杯、瀬戸内レモンとともに。
夏の暑さを忘れさせる一杯といえば「冷酒」。冷蔵庫でキリッと冷やして、吟醸香を楽しむもよし、氷を浮かべてロックで爽快に楽しむもよし。冷酒は同じ銘柄でも温度や飲み方で表情を変え、夏の夜に小さな驚きをくれます。ビールより軽やかで、ワインより繊細。日本酒だからこそ味わえる涼味は、まさに夏の贈り物です。今年は定番の大吟醸に加え、果実と出会った新しい冷酒にも注目。日本各地の風土を映した一杯を通じて、旅をするように味わってみませんか。
※お酒は20歳を過ぎてから。未成年者への酒類の販売は固くお断りしております。
定番冷酒の魅力
冷酒といえば、まずは定番の大吟醸や吟醸酒。獺祭や八海山、久保田といった銘柄は、その香り高さと切れ味で夏の食卓を引き締めます。淡麗辛口は和食に寄り添い、フルーティーな吟醸は洋食とも好相性。氷を浮かべたグラスでいただけば、爽やかさが一層引き立ちます。冷酒の真価は、気温の高い時季にこそ発揮されるもの。暑さで疲れた体に、ひと口目の清涼感が沁みわたり、料理をさらに美味しく感じさせてくれるのです。
- 冷蔵庫でキリッと冷やす(5〜10℃) … 吟醸系や大吟醸は香りが際立つ。
- 氷を浮かべてロックで … 辛口酒をよりすっきり。
- ソーダ割り … フルーティーな純米吟醸を炭酸で割ると、夏のカクテル風に。
料理との相性も抜群で、冷奴、枝豆、焼き鳥(塩)、カルパッチョなどとの組み合わせは夏の定番。

【特選セレクション】夏におすすめの定番冷酒
冷酒の世界を語る上で欠かせないのが「定番の一本」。山口の「獺祭 純米大吟醸45」は、果実を思わせる吟醸香と透明感のある甘みが特徴で、冷酒入門にも最適。新潟の「八海山 特別本醸造」は、キリッとした淡麗辛口で料理を選ばない万能酒です。同じく新潟の「久保田 千寿 吟醸」は、上品で軽快な飲み口が夏の定番。さらにここで紹介したいのが、和歌山の「紀土(KID)純米吟醸」。柑橘系の爽やかさと若々しい感性を感じさせる一本で、近年ファンを増やしています。定番に新しい選択肢を加えることで、冷酒の楽しみはさらに広がります。


果実と出会う新しい冷酒:瀬戸内レモン
近年注目を集めているのが「果実と日本酒の融合」。爽やかな酸味をまとった柑橘系の冷酒は、夏にぴったりのスタイルです。なかでも人気を集めるのが菊正宗の「レモン冷酒」。兵庫・神戸の蔵元が、爽やかな瀬戸内レモンをあわせた一本で、軽やかで清涼感のある味わいが特徴です。日本酒の旨みを残しながらも、レモンの香りと酸味が加わることで、飲みやすさと新しさを両立。女性や初心者にも支持され、冷酒の楽しみ方を広げています。
瀬戸内海はレモンの一大産地。広島・尾道や生口島では「国産レモン発祥の地」として知られ、温暖な気候と海風がまろやかな酸味を育てます。瀬戸内レモンを使った冷酒は、爽快感とともに土地の情景を思い起こさせる特別な一杯。厳島神社や原爆ドームといった世界遺産を巡った旅人が、瀬戸内レモン酒を手に取る光景も自然に浮かびます。菊正宗のレモン冷酒
はその入り口として気軽に楽しめる定番ですが、地域ごとの果実酒をめぐれば、日本の夏を旅するように冷酒を味わうことができるのです。


瀬戸内の刺身と冷酒
瀬戸内海は「穏やかな海」と呼ばれるだけあり、潮の流れが複雑で栄養も豊富。そのため身が引き締まった魚が多く、刺身はこの地域を語る上で欠かせないごちそうです。中でも名産の「鯛」はプリッとした身と上品な甘みで知られ、祝い事にも用いられる瀬戸内を代表する魚。さらに明石の真ダコは歯ごたえと旨みが抜群で、冷酒との相性も格別です。ハマチやカンパチといった脂ののった青物も、辛口の吟醸酒で爽やかに流すと絶妙の組み合わせ。瀬戸内の刺身は、定番の冷酒や瀬戸内レモンの爽やかさと共に味わえば、まさに“旅する食卓”を演出してくれます。
・瀬戸田(生口島)の「瀬戸田レモン」の産地ストーリー
しまなみ海道の瀬戸田町が日本一の国産レモンの産地として定着した背景や、ブランド確立への取り組みを詳述。産地の風景や歴史も伝わってきます。
・瀬戸内の四季折々の旬魚を紹介するページ
サワラ、イカナゴ、カワハギなど、瀬戸内特産魚とその旬を季節ごとに紹介。旅行者や食通にもうれしいコンテンツです。

酒器で変わる冷酒の表情
制作冷酒の楽しみをさらに高めるのが「酒器」。透明感のある薄張りグラスに注げば香りが立ち、江戸切子の煌めきは氷とともに目を楽しませます。徳利とお猪口を漆のトレーに置き、氷を添えるだけで一気に涼やかな演出に。酒そのものだけでなく、器選びもまた冷酒の一部。お気に入りのグラスや徳利を揃えることで、家庭の食卓が小さな料亭に変わります。


