日本の風土と技が育んだ、個性豊かな国産ジンの世界
クラフトジンが世界的にブームとなる中、日本でも独自の進化を遂げた「国産ジン」が注目を集めています。伝統的なジンのボタニカルに、日本の風土で育まれた個性豊かな素材を組み合わせることで、繊細かつ奥深い味わいが生み出されています。
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国産ジンの最大の魅力は、その多様性と繊細な香りにあります。桜、柚子、山椒、紫蘇、緑茶、日向夏など、生産地によって異なる和のボタニカルが使われることで、それぞれが唯一無二の個性を持ち、飲む人の好奇心をくすぐります。たとえば、京都のジンは玉露や山椒の香りがエレガントに香り立ち、鹿児島のジンは桜島小みかんの華やかな香りが際立っています。


また、ジャパニーズウイスキーや焼酎造りで培われた職人の技術が、ジンの品質を一層高めています。素材の選定から蒸溜、ブレンドに至るまで、細部にまでこだわり抜くことで、雑味のないクリアな味わいや、ボタニカルの香りを最大限に引き出すことに成功しています。
繊細で穏やかな風味を持つ国産ジンは、ソーダ割りやロックはもちろん、和食とのペアリングも楽しめます。食前酒としてだけでなく、食事の味を引き立てる食中酒としても活躍します。
世界に誇る日本のクラフトマンシップが詰まった国産ジンは、飲むたびに新しい発見と感動を与えてくれます。国産ジンの人気銘柄をいくつかご紹介します。当サイト「和・美酒」でご紹介するのにふさわしい、「和美人」も加えて5つの銘柄をセレクトし、それぞれの特徴とおすすめの飲み方・味わい方をまとめました。
1. 京都蒸溜所「季の美 京都ドライジン」
- 特徴: 日本初のジン専門蒸溜所が手がける、国産ジンの代表格です。柚子や玉露、山椒など、京都ならではの素材が6つのエレメントに分けられ、それぞれ個別に蒸溜しブレンドする独自の製法が特徴。これにより、繊細で奥深い香りとエレガントな味わいが生まれています。
 - おすすめの飲み方・味わい方: まずはストレートやロックで、その複雑な香りを楽しんでみてください。繊細な味わいを活かすには、トニックウォーターではなく、シンプルなソーダ割りがおすすめです。和食との相性も非常に良く、特に白身魚のお刺身や出汁の効いた料理と合わせると、互いの風味を引き立て合います。
 
2. サントリー「翠(SUI)」
- 特徴: 大手メーカーならではの、日常的に楽しめるジンです。柚子、緑茶、生姜という3つの和素材を使用しており、爽やかで食事に合う味わいを追求しています。特に「翠ジンソーダ」として、ソーダ割りを強く推奨しているのが特徴です。
 - おすすめの飲み方・味わい方: 何といっても「翠ジンソーダ」が定番です。翠1:ソーダ4の割合で割ることで、爽快な香りと味わいが楽しめます。唐揚げや焼き鳥、餃子など、日本の居酒屋料理と非常に相性が良いので、家飲みをさらに豊かにしてくれます。
 
3. ニッカウヰスキー「ニッカ カフェジン」
- 特徴: ウイスキー製造で使われる「カフェスチル」という独自の連続式蒸溜機を使用しており、これにより非常にまろやかで滑らかな口当たりが実現しています。柚子や山椒、日向夏など、和の柑橘とスパイスが複雑に絡み合い、しっかりとした飲みごたえと香りが楽しめます。
 - おすすめの飲み方・味わい方: ウイスキー好きの方にもおすすめしたいジンです。ロックや水割り、ソーダ割りで、そのまろやかさと香りの変化をじっくりと味わってみてください。柑橘系のカクテルベースとしても優秀で、爽やかさと深みをプラスしてくれます。
 
4. 鹿児島 薩摩酒造「CRAFT GIN 桜島小みかん」
- 特徴: 焼酎蔵である薩摩酒造が造る、地域性を色濃く反映したジンです。桜島小みかんを主たるボタニカルとして使用しており、その華やかでフルーティーな香りが際立っています。ジュニパーベリーとのバランスも良く、すっきりと飲みやすい味わいです。
 - おすすめの飲み方・味わい方: フルーティーな香りを存分に楽しむために、ソーダ割りが特におすすめです。また、トニックウォーターで割ってジントニックにすると、小みかんの香りがより引き立ち、爽快な一杯になります。柑橘系のカクテルベースとしても相性が良いです。
 
5. 本坊酒造 マルス津貫蒸溜所「和美人 Japanese GIN」
- 特徴: 焼酎やウイスキー造りの技術を持つ本坊酒造が、鹿児島の自然と職人技を活かして造り上げたジンです。ジュニパーベリーに加え、金柑、柚子、緑茶、紫蘇、生姜など、鹿児島各地で採れたボタニカルを10種類以上使用。柑橘系の爽やかさと、けせん(ニッキ)や生姜のスパイシーさが調和した、複雑な香りが魅力です。
 - おすすめの飲み方・味わい方: ロックやソーダ割りがおすすめです。特にジントニックにすると、ボタニカルの豊かな風味がより際立ちます。和の柑橘系やスパイスが効いているので、日本料理とのペアリングも楽しめます。和風の食卓を華やかに彩る一本です。
 


「和美人」を生み出す、鹿児島の風土と職人技
「和美人 Japanese GIN」の最大の魅力は、その製造背景にある鹿児島の豊かな自然と、焼酎造りで培われた職人たちの匠の技です。
和美人が造られるのは、薩摩半島の南に位置するマルス津貫蒸溜所。ここは、ウイスキーや焼酎、ラム酒など様々な蒸溜酒を手掛けてきた本坊酒造の蒸溜所であり、温暖な気候と清らかな水に恵まれています。この地で収穫される金柑や柚子、紫蘇、生姜といったボタニカルは、まさに鹿児島の風土が育んだ恵みです。これらの素材を単に混ぜ合わせるのではなく、焼酎造りで培われた蒸溜の技術を駆使して、一つひとつの素材が持つ個性を最大限に引き出しています。
「和美人」が持つ複雑で華やかな香りは、複数のボタニカルを絶妙なバランスで組み合わせるブレンダーの技があってこそ。例えば、金柑の爽やかな香りと紫蘇のすっきりとした香りが、ベースとなるジュニパーベリーと調和し、さらにけせん(ニッキ)や生姜がスパイシーなアクセントを加えています。このハーモニーは、長年培ってきた経験と感覚がなければ成しえないものです。
「和美人」をグラスに注ぐことは、鹿児島の自然と、伝統を受け継ぐ職人の情熱を味わうこと。一口飲めば、その土地の香り、人々の想いが伝わってくるような、特別な体験ができます。


「和美人」で楽しむ、新たなペアリングとカクテルの世界
「和美人 Japanese GIN」は、その華やかで複雑な香りと味わいから、様々な飲み方や料理とのペアリングが楽しめるジンです。
まずおすすめしたいのが、ジントニックです。通常、ジントニックはライムを添えることが多いですが、「和美人」のジントニックには、日本の柑橘である金柑や柚子のスライス、または紫蘇の葉を添えてみてください。より華やかな香りが引き立ち、和美人の持つ個性が際立ちます。シンプルにソーダで割るだけでも、ボタニカルの豊かな香りをストレートに感じることができ、爽快な一杯となります。
また、「和美人」は和食とのペアリングが格別です。特に、酢の物や和え物など、酸味や香りの効いた料理と非常に相性が良いです。また、天ぷらや唐揚げなど、揚げ物と合わせることで、後味をすっきりとさせてくれます。さらに、香りが強い料理、例えば山椒を使った料理や柑橘系の風味を活かした料理との相性も抜群です。料理の美味しさを引き立てながら、ジン自体の風味も損なわない、絶妙なバランスが楽しめます。
